有限会社 野崎重機建設興業

珪藻土について

皆様こんにちわ。
北海道では初雪が降ったとニュースで取り上げられています。
ううぅ~、しばれるね~。

今日は「珪藻土」についてお話しようと思います。

最近ではホームセンターや、インテリア家具を取り扱っているお店でもよく見かけますね。
使っている人も多いのではないでしょうか。
我が家では、キッチン横の洗い物カゴの下に敷いています。
調湿性や吸水性に優れており、コースターやバスマットとしても活用されています。

近年「珪藻土」に関するあるニュースが話題になったのを覚えているでしょうか。
2021年に某企業さんが販売した「珪藻土バスマット」から、基準値を超える石綿(アスベスト)
が含まれていることが判明した商品を回収するという事例がありました。

2006年からは、国の基準値「0.1重量%」を超える石綿(アスベスト)を含む
製品の製造・販売は前面禁止されています。

今回の事例では、海外製の製品から石綿が使用されているのが分かりました。
中国ではアスベストの使用が禁止されていないため、日本で使用が禁止されている
と把握していないで製品中に混入させた可能性が高いです。
珪藻土単体では接着効果がないため、珪藻土接着のためにアスベストを使用した
仮説が有力視されています。

では本当にこの話は、意図的に石綿を製品に混ぜ込んだのでしょうか?
実は「珪藻土」と「石綿」は密接な関係にあります。
それは採取される地層がとても近いことです!

珪藻土を採取する際に、同じ地層に石綿鉱山がある可能性もあるのです。
採取時に、サンプリングを定期的に行って調べない限り分からないのです。
その場合、石綿は珪藻土の「不純物」として混入されている可能性があります。

下の写真をご覧ください。
これは住宅に使用されている建材(フロアマット)を電子顕微鏡で視た写真です。



上の写真は、電子顕微鏡で2,500倍に拡大した写真です。
中央の赤い枠で囲まれているのが石綿(クリソタイル)です。
青い枠で囲った部分が珪藻土です。
小さな穴があいているのが分かりますね。
更に拡大した写真を見てみましょう。



これは12,000倍に拡大した写真です。
クリソタイルは「蛇紋石族」に属する、繊維状ケイ酸塩鉱物なのが特徴です。
その太さは0.02㎛~0.08㎛(髪の毛の1/5000)の大きさで、肉眼で見れないほど
小さい繊維の集まりなのです。



これは5,000倍で視た珪藻土です。
小さな穴が無数にあるのが分かります。
これが吸水性を高める特徴とも言えます。
どこかのお菓子メーカーで、こんな商品があったような気がしますね(笑)

この写真から分かるように、石綿の採取時に珪藻土が混入したり
珪藻土を採取する場合にも、石綿が混入する場合もあるのです。
珪藻土以外でも「タルク(滑石)」も良くクリソタイルやトレモライト/アクチノタイト
を不純物として含むことがあります。
40代以上の方なら、子供のころにタルクのチョークで壁やアスファルトに
落書きをして遊んだ経験もある人もいるでしょう。
その他には
・プラスチック:充填材(剛性、耐熱性、寸法安定性の向上)、結晶核剤
・製紙:填料、ピッチコントロール剤、塗工剤
・塗料:体質顔料(粘度・光沢の調整)、粉体塗料
・電子部品:積層板、成形品、レジストインキ、接着剤
・セラミックス:陶磁器の釉薬、ハニカムセラミックス原料
・ゴム:充填材(耐熱性、補強性等の向上)、離型剤
・化粧品:ファンデーション、ボディーパウダー、アイシャドウ、口紅
・医薬品:錠剤の賦形剤、滑沢剤
・食品:ガムベース、製造助剤(くっつき防止)
・農業:肥料の固結防止剤、農薬のキャリアー
等にも使用されています。

以下の全国タルク協議会HP参照

https://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-11201000-Roudoukijunkyoku-Soumuka/kikaku27_5_sankou4-2.pdf


ただし今回の場合のような商品を使用していたからと言って、直ぐに
健康被害のリスクがあるとは限らないのです。
その話については別のブログで説明いたしますが、今回自主回収を発表
された販売者(メーカー)については、私も良く使っているメーカーなだけに
今回の対応を高く評価していました。

ただ、今回の報道を機に身近な製品にも石綿(アスベスト)が潜んでいる
可能性がある事は知られたんじゃないでしょうか。

身近にある「アスベスト含有建材」については次回お話いたします。
北海道の冬も近いです。
部屋の中も暖かくして、体調管理をしっかりして過ごしましょう。

それではまた次回。
したっけねぇ~