有限会社 野崎重機建設興業

機関車にもアスベスト!?

皆さんこんにちは。
アスベストへの探究心は、人一倍の情熱を燃やす男です。

ホームページ作成にあたり、写真を整理していたのですが、過去に
面白い案件のアスベスト調査があったので掲載します。

1970年代に製造されていた貨物列車の車両にもアスベストが使用されていて
調査を行ったことがありました。



この写真は1970年代頃に製造された「国鉄ヨ8000形貨車」と言います。
日本国有鉄道(国鉄)が1974年昭和49年)から1979年(昭和54年)までに
製造した事業用貨車車掌車)です。

主な製造メーカーは
日本車輌製造・川崎重工業宇都宮工場・三菱重工業・若松車輌の4社です。

数年前にJR貨物車輌からもアスベスト(レベル3)が確認されたとのニュースが
あった事を覚えていました。

https://www.jrfreight.co.jp/info/2018/files/20181116.pdf

※日本貨物鉄道株式会社資料参照

この写真は個人で所有されていた車両でしたが、廃棄にあたりアスベストの調査が必要と
JRからの資料で確認しました。

えぇ~こんな物にまでアスベストがっって思いましたが、詳細は以下の内容でした。

1970年代に使用されていた機関車の車両本体にアスベストが使用されていた部位は多岐に渡ります。
主な箇所としては以下の通りです。

* **断熱材:**
* ボイラーケーシング(蒸気機関車)
* 煙突
* 蒸気管、給水管
* ディーゼル機関の排気管、消音器
* 機関室内の壁、天井
* **ブレーキ関連:**
* ブレーキパッド、ブレーキシュー(特に初期のもの)
* ブレーキパイプの断熱
* **シール材、パッキン:**
* ボイラー、蒸気機関の各部
* ディーゼルエンジン
* 配管のジョイント部
* 窓枠
* **その他:**
* 電気配線の被覆
* 車両の床材
* 車両の屋根裏

これらのアスベストは、耐熱性、断熱性、絶縁性、耐薬品性などに優れているため、
機関車の様々な部位で使用されていました。しかし、アスベストの有害性が認識されるにつれて、
1980年代以降は使用が禁止または制限されるようになりました。

**注意点:**

* 上記は一般的な例であり、機関車の種類や製造メーカー、製造時期によって使用箇所や使用量に差異があります。
* 1970年代の機関車でも、製造時期が後半になるほどアスベストの使用量が減っている可能性があります。
* 過去に補修や改造が行われている場合、アスベストの使用状況が異なる場合があります。

もし具体的な機関車の型式などが分かれば、より詳細な情報を提供できる可能性があります。



実際の車両の内部写真です。
特に構体部(側窓上部にグラスウールが設置出来ない箇所)に石綿含有アンダーシールが
塗布されていました。

今でも各地で所有保存されているみたいです。
参考までに
画像 番号 所在地 備考
ヨ8017 北海道常呂郡佐呂間町字永代町65-1
佐呂間町交通公園
(旧佐呂間駅
ヨ8006 北海道三笠市本町971-1

クロフォード公園

現存している最若番。DD51 548ホキ2341ホキ746と連結して保存されている。
ヨ8083 北海道北見市常盤町 個人所有
ヨ8057 北海道釧路市阿寒町上阿寒34
阿寒炭鉱と鉄道館「雄鶴」
C11 65と連結されている。
ヨ8055 北海道空知郡上砂川町中央北1条1丁目
上砂川駅跡(悲別駅)
ヨ8103 北海道三笠市萱野
萱野駅
駅跡はライダーハウスとして利用されており、そこに付随する形で利用されている。
ヨ8018 北海道網走郡大空町女満別本通1丁目

女満別駅

以前は宿泊施設として4両の車掌車が足回りも含めて保存されていた。2024年11月に老朽化のため解体される事となったが、この車両ともう1両の2両は網走市へ搬送され引き続き保存されている[5]
車番不明 北海道札幌市豊平区
ヨ8873 青森県むつ市大畑町庚申堂
下北交通大畑駅
※動態保存
車体番号「ヨ8873」の「7」の部分が修正された跡あり。車掌室内部の車体番号は「ヨ8803」のままとなっている。

含有されているアスベストはレベル3と飛散性は少ないのですが、移動や処分の際には
しっかりとしたアスベスト調査が必要なんです。
もう今じゃ中々お目にかかる機会が少ないレアな車両となりますが、調査者の方達には
このような事例がある事も知っていてほしいです。

なかには「鉄で出来てるからアスベストなんて入ってないし、使われていないよ」って
方にもお会いすることがあります。
あなたの眼は髪の毛の「1/5000」のアスベストが見えるんですか?
『JOJOの奇妙な冒険』に出てきたスタープラチナ(スタンド)じゃあるまいし
そんな人間はいないでしょうから(笑)、石綿含有が懸念される建材は全て調査・分析
行わなければいけないんです。

私達「四318LABO」では、アスベストに関する珍しい建材や資料も探しているので
「こんなの見つけた」や「これって何ですか」、「マニアックな文献見つけました」等の
情報提供も全国からお待ちしております。
宜しくお願いします。

それでは皆さんまた次回のブログでお会いしましょう
したっけねーーーー