2024/03/22 今日はアスベスト事前調査時の調査報告「みなし」についてお話していきます。 アスベスト(石綿)事前調査において、調査対象建材に「みなし」判定を行う事があります。 これは現地にて採取・分析を行わずに、対象とされる建材に対してアスベストが含有しているとして扱う 「みなし判定」という手法です。 最近では解体・改修工事の現場などでは、事前調査時に調査対象建材を「みなし」と判断し それをもって調査を終了する業者もあります。 例えば、「設計図書等を確認し、使用されている建材が石綿含有の可能性が高い製造時期の物であった」や 「高所の場合や、狭小の場所の為調査が困難な場合」などの物理的に調査が難しい時にや 「みなし判定を選択せざる得ない場所(公共空間や危険個所)」があるときには採用されます。 では、ここでよく問い合わせのある内容を紹介します。 「エアコンやFFストーブ設置の為に、壁に穴を開ける場合も事前調査が必要なの?」 と多くの施工業者の方から聞かれます。 答えは・・・ もちろん「必要」です! 壁に直径10cm程度の穴を開けるにも事前調査は必要なんです。 調査・分析をするにも費用は掛かります。 その為、「みなし」判定を行う施工業者も多く存在します。 でもちょっと待ってください。 その調査報告で本当に大丈夫でしょうか。 レベル3建材であったとしても、以下のような対応を求められます。 《厚生労働省リーフレット 解体・改修・各種設備工事を行う施工業者の皆様へ》https://www.ishiwata.mhlw.go.jp/pdf/leaflet-r4.pdf の中では 作業計画や労働基準監督署への事前の届け出(レベル1,レベル2)、作業時の処置においてはみなし判定を行った際にも必要と記載されています。「必要となる可能性がある措置のうち最も厳しい石綿(アスベスト)対策」を講じなければならないのです!その手間も時間もトータル費用も、産業廃棄物処理方法についても検体採取・分析を行った場合よりも割高になる可能性があります。《国土交通省リーフレット 建築物のアスベスト対策》https://www.mlit.go.jp/kisha/kisha08/07/070425_2/01.pdfによればアスベスト飛散防止のための工事を行わなければばりません。隔離、負圧養生、施工方法、産廃処理費用など作業の内容によっては、採取・分析を行ったほうが安価に進めることも考えられます。各市町村の行政機関によっては、抜き打ちの巡回訪問もされていると聞いています。平成17年(2005年)に石綿障害予防規則(石綿則)が制定され、これに基づく措置が事業者等に義務付けられています。石綿に関する法規制も年々厳しくなっているのも事実です。弊社も多くの解体工事・改修工事を手掛けています。石綿の事前調査・分析・除去を行う立場から、法に遵守した対応を徹底し適正な作業環境にて工事を行っております。 事前調査での「みなし」扱いのメリット、デメリットも確かにあります。総合的な判断で言えばメリットよりも、デメリットの方が大きいです。特にみなし扱いで施工することにより、施主(依頼主)や元請業者への費用の負担も大きくなりかねます。小規模な改修工事などでは、採取・分析を行わないことにより「みなし工事」による養生費や撤去費、産廃処理費が見積額に反映されることがあります。依頼主への説明は十分に行ってから判断してください。調査分析費用の負担を軽減する代わりに、作業工程や産廃処理費が倍になってしまうこともあります。ですがここでの内容はあくまで「適切な措置」を行ったいる業者が該当することであり、まだまだ十分な説明や措置をしていない業者は多く存在しているのも確かです。工事発注の際には、信用できる業者を選定しましょう。石綿に関するご相談もあればお気軽にご連絡をいただければと願います。それではまた次回のブログにて #みなし工事 #北海道帯広市 #野崎重機建設興業 #アスベスト調査・分析 #電子顕微鏡 #誰でも分かるアスベスト